ManusでHubSpotを連携すると、CRMを開きに行く手間を減らしつつ、Gmail上のメール対応を起点に「次に何をするか」まで自動で整えられます。コツは、いきなり自動送信や全自動更新を狙わず、「メール文面の下書き」と「次アクションの記録」に絞って回すことです。
この記事では、ManusのワークフローでHubSpot情報をメールの近くに置き、Slack通知までつなぐ手順を、コピペで試せるプロンプト付きでまとめます。
- Manus×HubSpot×Gmailで何ができるか(現場で効く範囲)
- フォロー漏れが減る「追客フロー」の作り方(設計から)
- そのまま試せるプロンプト例(要約、下書き、記録、通知)
- 権限・個人情報・誤更新で事故らない注意点
- この連携が向いているチーム/向かないチーム
目次
ManusのHubSpot連携でできること(Gmail起点の追客)
今回のニュース(Manus Blog)では、営業チームがHubSpotの必要情報をGmailの作業に近づけ、Slackも含めて一つの流れにまとめた事例が紹介されています。ここで大事なのは「全部自動化した」よりも、人が普段いる場所(受信箱)に、判断材料を寄せた点です。
実務に落とすなら、できることは主に次の4つに分けると設計しやすいです。
- メール相手(会社・担当者)を特定し、HubSpotの該当レコードを引く
- 直近の履歴(商談ステージ、前回接触、未完了タスク)を短く要約する
- 返信文面を「この案件用」に下書きする(テンプレの使い回しを減らす)
- HubSpotに「次アクション」を記録し、必要ならSlackに通知する
個人的には、最初は「要約」→「下書き」→「タスク作成」の3点セットだけで十分です。商談の更新やスコアリングまで触ると、誤更新のリスクが一気に上がります。
Manus HubSpot連携の使い方:追客フローを組む手順
ここでは「Gmailで来たメールから、HubSpot参照→返信下書き→次アクション記録→Slack通知」までを、止まりにくい順に組みます。画面は環境で差が出るので、考え方と設定の順番を固定して進めてください。
手順1:自動化する範囲を決める(最初に線引き)
最初に決めるのは機能ではなく、Manusにやらせる「確定行為」の範囲です。おすすめはこの線引きです。
- Manusがやってよい:HubSpot参照、要約、返信下書き、タスク案の作成、Slack通知文の作成
- 人が必ずやる:送信(Gmail)、HubSpotのステージ更新、金額変更、担当者変更
ここを曖昧にすると「それっぽく動いたけど、後で辻褄が合わない」状態になります。
手順2:データの入口を1つにする(Gmailのどこから拾うか)
Gmail起点で詰まりやすいのが「どのメールを対象にするのか」がブレることです。運用は次のどちらかに寄せると安定します。
- ラベル運用:追客対象にだけ付くラベル(例:
Follow-up)を作り、そのラベルのメールだけ処理 - スレッド運用:案件単位のスレッドだけ対象にし、最新メールの本文とヘッダーだけ使う
おすすめはラベル運用です。人間の「今これは追客だな」の判断を一回挟めるので、誤爆が減ります。
手順3:HubSpot側の参照キーを固定する(メールアドレス基準)
HubSpotレコードの特定は、基本は相手のメールアドレスで行うのが一番堅いです。会社名検索や署名の会社名抽出は揺れます。
- Contact(コンタクト)をメールアドレスで検索
- 紐づくCompany(会社)とDeal(取引/商談)があれば取得
- 未完了タスク、直近の活動ログ(メール/通話/ミーティング)を取得
ここで「同じメールアドレスが複数レコードにいる」などの例外が出る場合は、Manusに自動決定させず、候補を並べて人が選ぶ形にしておくと後が楽です。
手順4:出力フォーマットを固定する(要約は短く、次アクションは1つ)
追客が詰まる原因は、判断材料が多すぎて結局何もしないことです。Manusの出力は最初から型を決めます。
- 案件要約:5行以内
- 重要情報:期限、ステージ、直近の約束、ブロッカー(止まっている理由)だけ
- 次アクション:原則1つ(「今日送る」「明日電話する」など)
手順5:Slack通知は「監視」ではなく「見落とし防止」に使う
Slackは、営業をせかすために入れると反発が出ます。使いどころは「フォロー期限が来た」「返信が必要」など、見落としを減らす合図に限定するのが無難です。
コピペで試せるプロンプト例(Manus用)
以下は、Manusに渡す指示のテンプレです。環境によってコネクター名や取得フィールドは変わるので、まずは出力の型を守らせる目的で使ってください。
プロンプト1:Gmailの対象メールからHubSpotを引いて要点を出す
あなたは営業オペレーション担当です。
以下のGmailスレッド(最新メール本文とヘッダー)を読み、相手のメールアドレスをキーにHubSpotで該当コンタクトを検索してください。
# やること
1) HubSpotから取得:コンタクト情報、紐づく会社、紐づく商談(あれば)、未完了タスク、直近5件の活動ログ
2) 出力は下のフォーマットに厳密に従う
3) 不確実な点は断定せず「要確認」と書く
# 出力フォーマット
【相手】
- 氏名:
- 会社:
- メール:
【案件サマリ(5行以内)】
-
【直近の約束/未完了】
-
【次アクション案(1つ)】
- 期限:
- 内容:
- HubSpotに記録するメモ案(1〜2文):
【確認が必要な点】
-
プロンプト2:返信文面を「短く、誤解なく」下書きする
次の条件で、返信メールの下書きを作ってください。
# 条件
- 目的:相手の次の一手(返信/日程確定/資料確認)を1つに絞る
- 文量:日本語で200〜350字
- 禁止:断定(未確認の事実を言い切らない)、過剰な謝罪、長い前置き
- トーン:丁寧だが堅すぎない
# 入力
- 相手の最新メール:{{貼り付け}}
- HubSpot要約:{{貼り付け}}
# 出力
件名案(1つ)
本文
プロンプト3:HubSpotに残す「活動メモ」と「タスク案」を作る
HubSpotに記録するためのログ文と、次アクションのタスク案を作ってください。
# ルール
- ログ文:時系列がわかる1段落(100〜160字)
- タスク:期限、担当(自分)、完了条件を明確に
- 完了条件は「相手の返信を待つ」ではなく「こちらが行う行動」で書く
# 入力
- Gmailスレッド要点:{{貼り付け}}
- 次アクション案:{{貼り付け}}
# 出力
【活動ログ(コピペ用)】
...
【タスク案】
- 期限:
- 内容:
- 完了条件:
プロンプト4:Slack通知文(うるさくしない版)
Slackに投稿する短い通知文を1つ作ってください。
# 条件
- 1メッセージで完結
- 「誰の」「何の案件」「いつまでに」「次に何をする」が入る
- 圧をかける言い回しは禁止
# 入力
- 相手:{{氏名/会社}}
- 次アクション:{{内容/期限}}
- HubSpotリンク(あれば):{{URL}}
# 出力
Slack投稿文:
注意点:Gmail×CRM連携で起きやすい失敗
同姓同名・別名義でレコードがズレる
メールアドレス基準でも、転職や共有アドレスで揺れます。候補が複数出たら、Manusに「どれっぽいか」を当てさせるより、候補一覧+判断材料を出させて人が選ぶほうが安全です。
自動でステージや金額を更新してしまう
営業プロセスの定義は会社ごとに違います。最初から更新を自動化すると、後で「数字が合わない」状態を作りがちです。更新は人、Manusは更新案のメモまでに留めるのが現実的です。
メール本文を丸ごと外部に渡してしまう
個人情報や機密が混じります。可能なら「必要箇所だけ」渡し、署名やフッター、引用の長い履歴は削ってください。社内ルールがある場合はそれに従い、料金や保存仕様は変更されることがあるので公式ページで確認が必要です。
Slack通知が増えすぎて見られなくなる
通知は増やすほど効かなくなります。おすすめは「期限超過」「相手から返信が来た」など、イベントを2種類までに絞ることです。
この運用が向いている人・向かない人
向いている人
- 受信箱で仕事が止まりがちで、CRM更新が後回しになる
- テンプレ返信が多く、案件ごとの微妙な条件を落とし込みたい
- チームで「次アクションをHubSpotに残す」ルールはあるが徹底できていない
向かない人
- CRMの項目定義や商談ステージがまだ固まっていない(まず整理が先)
- メール運用が個人最適で、ラベルやスレッド管理がバラバラ
- 送信や更新を最初から全自動にしたい(事故の温床になりやすい)
まとめ:追客を早くするより「詰まらせない」設計にする
ManusのHubSpot連携は、CRMの画面を開く回数を減らすことより、メール対応の流れの中で判断材料と次アクションを揃えるのが効きます。最初は「要約」「返信下書き」「タスク案」「Slackは合図だけ」に絞り、更新は人が握ってください。追客が止まるポイントが一つでも減ると、チームの体感が変わります。
参考リンク
Photo by Markus Winkler on Unsplash

